オランダ・ベルギー旅行記 2006 その2 [オランダ旅行記]
関西国際空港からオランダ行きの飛行機に乗りました。
三週間の一人旅です。
席はエコノミークラスですから狭い。
そう考えますと、講談会の客席と言うのはファーストクラスですね。
大阪からオランダまで十二時間。
途中下車なしです。
しんどいですよ。
大阪環状線の一周が約一時間です。
これ十二回もグルグル回るんですから大変ですよ。
右に座ったのが金髪の若い娘さん。
左に座ったのが日本のおじさん。
このおじさんが喋りかけてくるんです。
「どこに行くんだ」
オランダ行きの飛行機ですからね。
「オランダに行きます」
「ほう。オランダか。奇遇だな」
当たり前やと思うんですが。
「どれぐらい行くんだ」
「三週間です」
「サラリーマンか」
「いいえ。違います」
「何の仕事だ」
どんどん質問してくるんです。しかし、
「講談師です」
と答えると、
「講談一席やってくれ」
と言われるのは確実ですからね。
飛行機に乗っている時ぐらい、のんびりしたいです。
曖昧に答えようと思いまして、
「まあ、人に言えるような商売じゃありません」
すると、ますます興味を持ちましてね。
どんどん質問してくる。
のらりくらりと適当に返事をしておりますと、いつの間にか、物語が出来てしまいましてね。
「私は寿司職人でしたが、この度、恋人に振られたのをきっかけに、長年の夢であった画家になる為に、ヨーロッパへ修行しに行くという」
こんな話になっていまして。
実は、このおやじさん、オランダで寿司屋を経営していまして、
丁度、三日前にすし職人が辞めてしまって、大変困っている。
「是非、うちの店に来ないか」
と言われましてね。
「いやー。まあ、急に言われましても……」
「実はな、わしの兄がオランダで画家をやっているんだ」
「えっ、お兄さんは画家ですか」
「ああ、オランダでは、そこそこ有名な画家なんじゃ。絵の修行もよいが、若いうちはなかなか喰えん。だから、寿司屋でアルバイトをして、休みの日に、兄のところで絵の修行をすれば良い」
「いい話ですね」
言うたんですが、よくよく考えますと、私は寿司職人やないんですね。
丁寧に、お断りしました。
そんなお喋りをしている内に、オランダへ到着しました。
三週間の一人旅です。
席はエコノミークラスですから狭い。
そう考えますと、講談会の客席と言うのはファーストクラスですね。
大阪からオランダまで十二時間。
途中下車なしです。
しんどいですよ。
大阪環状線の一周が約一時間です。
これ十二回もグルグル回るんですから大変ですよ。
右に座ったのが金髪の若い娘さん。
左に座ったのが日本のおじさん。
このおじさんが喋りかけてくるんです。
「どこに行くんだ」
オランダ行きの飛行機ですからね。
「オランダに行きます」
「ほう。オランダか。奇遇だな」
当たり前やと思うんですが。
「どれぐらい行くんだ」
「三週間です」
「サラリーマンか」
「いいえ。違います」
「何の仕事だ」
どんどん質問してくるんです。しかし、
「講談師です」
と答えると、
「講談一席やってくれ」
と言われるのは確実ですからね。
飛行機に乗っている時ぐらい、のんびりしたいです。
曖昧に答えようと思いまして、
「まあ、人に言えるような商売じゃありません」
すると、ますます興味を持ちましてね。
どんどん質問してくる。
のらりくらりと適当に返事をしておりますと、いつの間にか、物語が出来てしまいましてね。
「私は寿司職人でしたが、この度、恋人に振られたのをきっかけに、長年の夢であった画家になる為に、ヨーロッパへ修行しに行くという」
こんな話になっていまして。
実は、このおやじさん、オランダで寿司屋を経営していまして、
丁度、三日前にすし職人が辞めてしまって、大変困っている。
「是非、うちの店に来ないか」
と言われましてね。
「いやー。まあ、急に言われましても……」
「実はな、わしの兄がオランダで画家をやっているんだ」
「えっ、お兄さんは画家ですか」
「ああ、オランダでは、そこそこ有名な画家なんじゃ。絵の修行もよいが、若いうちはなかなか喰えん。だから、寿司屋でアルバイトをして、休みの日に、兄のところで絵の修行をすれば良い」
「いい話ですね」
言うたんですが、よくよく考えますと、私は寿司職人やないんですね。
丁寧に、お断りしました。
そんなお喋りをしている内に、オランダへ到着しました。