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2014年 年頭のご挨拶 [講談]

あけましておめでとうございます。
本年もどうか宜しくお願いします。
皆様にとってよき一年になりますよう心からお祈り申し上げます。

さて、今年は第一番目にやるべきことは、
講談本を出版することです。

原稿は揃っているのですが、細かい手直しがあり、その手直しをするところで、ずっと停滞をしており、一向に仕上がりません。
一月は大阪、東京と初代ブラック企画公演が続きますので、ちょっと時間が取れそうにありませんが、
二月中には何が何でも仕上がる所存です。

そして二つ目は、
6月25日(水)、7月2日(水)、7月9日(水)に京都芸術センターで講談会をします。

「上方講談」という言葉がありますが、
上方とは京都、大阪を指します。

大阪では公演をしておりましたが、
京都ではほとんど講談会をやっておりませんでした。
今年から京都でもやってみることにしました。
タイトルは「滅びゆく伝統芸能」~絶滅危惧種・講談の修羅場読み~
です。
ちょっと刺激的なタイトルですが、実際、百年前、五十年前に比べると明らかに衰退しております。
「講談師ただいま24人」という本が出版されたのが1968年(昭和43年)。
それから45年。
確かに人数は増えてましたが、
講談定席「本牧亭」もなくなり、
何より、世間一般の方々の「講談」という芸能に対する認知度が、
当時に比べると、非常に低くなっています。

芸能として認知していないものは、
絶対に聞きに行かないですよね。
「講談を聞いてみよう」
という発想が浮かばないんですから。
このままでは本当に滅んでしまいます。
少しでも聞いて頂くきっかけを増やしたい。
この公演では、講談の特徴である修羅場読みの面白さを知って頂こうと思っています。
三週連続で行いまして、好評でしたら、来年からも定期的に続けて行きたいです。

そして三つ目は、「差別と表現」をテーマに講談会を開催します。
昨年、ヘイトスピーチという言葉を知りました。
差別のない世界は素晴らしいと誰もが知っているはずなのに、
時代が変われば、新しい差別が生まれます。
そうではなく、やはり差別のない世界で生きていきたい。
そういう思いを高座の上で語り続けたいです。

そして同時に、講談に出てくる差別用語を表現として守りたい。

講談の舞台となるのは、様々な時代ですが、
多いのが、戦国時代や江戸時代でしょうか。
江戸時代には、ご存知の通り身分差別がありました。
その江戸時代を描く物語に、やはり差別用語は出てきます。
当時は差別があり、それほど意識せずに、只今では差別用語と言われる言葉を喋っておりました。

伝統的な講談の物語の中にあって、
その差別用語に必然性があり、
他の言葉に言い換えが出来ない場合は、
その言葉を使っても良いと私は思っています。

それが言葉というもので、
それが伝統芸能だと思います。

だから、お客さんも、
講談の物語に、差別用語が出てきた時、
前後の文脈、物語の必然性などとを理解しないで、
ただただ、その言葉だけを抜き出して、
「差別用語だから使ってはいけない」
と批判しないでほしいです。

そういうことを考えるきっかけになればと思って「差別と表現」をテーマにした講談会を開催します。

その他では、
一般の方々が実際に講談にチャレンジする「講談ワークショップ」も定期的に続けています。
講談は誰でも出来ます。
実際にやってみると楽しいですよ。

そして、今年は、今まで以上に日本全国あちらこちらで講談をやりたいです。

講談が好きだ。
講談を広めたい。
講談を名で聞く機会をもっと作りたい。
等々。
大阪以外に住まいをしている方々に、地域寄席を開催して欲しいです。
地域寄席開催に、私も協力させて頂きます。
私の願いはただ二つ、
講談を知らない方々に生の講談を聞いて欲しい。
その地域寄席を長く続けて欲しい。
半年に一度でも、年に一度でも結構です。
私も出来る限りの協力はさせて頂きますので、
地域寄席の世話人となって応援して下さい。
ちょっとでも、やってみたいと思った方は、「地域寄席の相談」というタイトルで南湖までメールを送って下さい。
宜しくお願いします。

昨年も一門の先輩方にはたくさんお世話になりました。
また、東京の琴梅先生、貞山先生にご指導を頂きまして、
講談の面白さ、奥深さを学びました。
本当に有難いことです。

昨年は講談のお稽古をしている時がこの上ない喜びであり、楽しい時間でした。
本来は高座の上が一番となれば良いのでしょうが、
まだその自信はありません。
稽古を繰り返し繰り返しすること。
それが楽しくて仕方がありません。
そして、稽古を繰り返すことによって、亀の歩み以上にゆっくりですが、腕が上がっていくのを感じます。
目指す頂点は遥かに高く、まだその麓にも達していませんが、
生涯、努力を続けます。

今年も一歩一歩精進したいと思います。
どうか長い目で見守って頂けましたら幸いです。
宜しくお願いします。

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